こんにちは。ときどき校長のサムです。
前回、AI時代を生き抜くには「学びの羅針盤」が不可欠だとお伝えしました。そして、その羅針盤を動かす鍵は、「メタ認知能力」です。
「それは分かったけど、具体的に何をすればいいの?」
今日は、この問いにお答えします。特別な教材や難しい知識は一切不要です。親子の日常会話に、ちょっとしたエッセンスを加えるだけで、子どもの『学びの羅針盤』は驚くほど磨かれていきます。
羅針盤を磨く!家庭でできる3つのシンプルな習慣
子どもたちの「羅針盤」は、魔法のようなものではありません。ちょっとした声かけや習慣の積み重ねで、着実に育まれます。
1. 「振り返り」の習慣づくり
子どもは日々、たくさんのことを経験しています。その一つひとつを学びにするために、親子で「振り返り」の時間を持ちましょう。
例えば、テストで良い点が取れた時。 「すごいね!なんでうまくいったんだと思う?」と、まずは成功の要因を一緒に探します。 「いつもより、間違えた問題をちゃんと見直したからかな」と子どもが答えたら、「見直ししたんだ!それってすごく大切なことだね」と具体的に褒めます。
逆に、うまくいかなかった時も同様です。 「残念だったね。でも、どこでつまづいたんだと思う?」と、原因を一緒に探します。 これは、単に反省させるのではなく、「自分の学びのプロセスを客観的に見つめる力」を育む、大切なメタ認知のトレーニングです。
2. 「なぜ?」を問いかける習慣
子どもは「どうして?」という疑問を、毎日たくさん持っています。その疑問を一緒に掘り下げることで、子どもの思考力は飛躍的に伸びていきます。
例えば、科学館に行った時。 「この展示、なんで面白いんだろうね?」 「恐竜の化石がすごく大きかったから!」 「なんで大きいと面白いと感じるのかな?」
このように、答えを教えるのではなく、「どう考えたか」「どう感じたか」に焦点を当てることで、子どもは自分の思考プロセスを意識するようになります。この習慣は、子どもの「個別最適な学び」につながり、好きなことや得意なことを自分で見つけることの手助けになるのです。
「主体的」な学びの土台を育む
子どもが「面白い!」と感じたとき、そして「叱られない、注意されない」という安心感があるときに、子どもは最も主体的に学びます。
これは、脳科学的にも証明されていて、「前頭前野」は、安全安心状態で初めて活発に活動できるのだそうです。
羅針盤を使いこなすには、この主体性が不可欠です。
- 興味・関心を見つける: 子どもが何かを面白がっていたら、「もっと知りたい?」と問いかけ、本や動画を一緒に探してみましょう。
- 安心できる場所を作る: 失敗を恐れずに挑戦できる、温かい家庭環境が、子どもの好奇心や探究心を大きく育てます。
「学びの羅針盤」は、この主体的で自律的な学びのサイクルを回すためのツールなのです。
最後に:親自身が羅針盤を持つこと
子どもの「学びの羅針盤」を育む上で、最も大切なのは、親自身が羅針盤を持つことです。
子どもの成長を信じ、焦らず見守ること。 答えを教えるのではなく、「問い」を与えること。 子どもが試行錯誤する過程を、温かく応援すること。
この小さな積み重ねが、子ども自身の「羅針盤」を磨き、未来を自らの力で切り拓く羅針盤になります。
さあ、お子さんと一緒に「学びの羅針盤」を磨く旅を始めていきましょう。
何かお尋ねになりたいことがありましたら、お問い合わせからどうぞ。
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