忙しい合間を縫ってこの記事を読んでくださっている親御さん、ありがとうございます。ときどき校長のサムです。
現場の教師、また校長として、私はこれまで数えきれないほどの保護者面談をしてきました。その中で、親御さんが最も深く抱える共通の不安は学力でも成績でもありませんでした。(もちろんこれらも大きな悩みの一つではありますが…)
それは、「うちの子は、この先の社会で、自信を持って生きていけるだろうか?」という問いです。
答えは明確です。子どもが将来を切り拓く最大の武器は、学力よりも自己肯定感です。自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れ、困難に立ち向かう心の土台です。
しかし、親御さんがよかれと思って行っている「褒め方」や「励まし方」が、実はこの大切な土台を不安定にしているケースも多く見てきました。親御さんがお子さんの成長のために一生懸命努力しているにも関わらずです。
今日は、その努力をさらに確かなものにするために、学校で伸びる子の親が実践している「自己肯定感を育む言葉と聞く姿勢」を具体的にお伝えしますたいと思います。特に、後半でお伝えする「聞く姿勢の合言葉」は、すぐに効果を実感できるコーチングの基本です。
1.【衝撃の事実】自己肯定感は「褒める」だけでは育たない!元校長が見た勘違い
多くの子育て本には、「子どもは褒めて育てなさい」と書いてあります。もちろん褒めることは大切です。しかし、「テストで100点取ってすごいね」「最後まで諦めずにやって偉いね」といった結果や能力だけを褒める「結果褒め」には注意が必要です。
なぜなら、子どもは無意識にこう学びます。
- 「100点を取らなければ、褒めてもらえない」
- 「失敗したら、愛してもらえないかもしれない」
これにより、失敗を極端に恐れるようになり、「新しい挑戦を避ける子」や、「完璧主義で心が折れやすい子」が私の学校にもいました。自己肯定感が育つどころか、「できない自分はダメだ」という感覚が深まってしまうのです。
2.学校で伸びる子の親が実践する「自己有用感」の育て方
自己肯定感の正体は「誰かに必要とされている感覚」
私が学校現場で見てきた、本当に強く伸びる子どもたちは、高い成績ではなく、「自己有用感」(自分は誰かの役に立っている、必要とされていると感じる感覚)を持っています。これこそが、揺るがない真の自己肯定感の源です。
【元校長の告白】早期に「優秀」だった子が4年生で伸び悩む理由
ここで、元校長として皆様にお伝えしたい現場の現実があります。
小学校の予備校のような幼稚園があります。その幼稚園の卒園生は、入学前に文字や計算を詰め込み、周囲よりも「よくできる子」としてスタートします。入学当時は、まさにピカピカに輝いて見える子どもたちです。しかし、この子たちが、高学年(特に4年生前後)になると、その輝きを失ってしまうケースが非常に多いのです。入学当初の「優秀さ」が嘘のように、他の子たちの中に埋もれてしまいます。
なぜでしょうか?
それは、彼らの初期の「優秀さ」が、自分の内側から湧き出る「学びたい意欲」ではなく、「親や先生に褒められるための知識」に依存していたからです。
「結果(知識量)を褒められ続けた」子どもは、「できない自分」を受け入れる心の準備ができていません。抽象的で、答えが一つではない高学年の学習テーマや、複雑な人間関係に直面したとき、「失敗したくない」という自己防衛が働き、新しい挑戦を避けるようになってしまうのです。
本当に伸び続ける力は、「私は誰かの役に立っている」という心の土台(自己有用感)から生まれます。この土台があれば、失敗は単なるデータになり、また立ち上がって挑戦する心のしなやかさが育まれます。
親御さんは、この「自己有用感」を家庭で育てるために、以下の二つの言葉をぜひ徹底してほしいと思います。
1. 結果ではなく「行動と勇気」を承認する言葉
- NG: 「テスト100点、すごい!」
- OK: 「テストのために30分集中して取り組もうとした努力がすごいね」
- OK: 「途中で難しくてやめそうになったけど、頑張ってやり切れた勇気が本当に素晴らしいよ」
2. 競争のない「存在そのものへの感謝」
- NG: 「宿題を終わらせてえらかったね。」
- OK: 「あなたがいてくれるだけで、パパ/ママは助かっているし、とても幸せだよ」
この「存在承認」の言葉は、子どもが何かの能力を発揮しなくても、無条件に愛されているという絶対的な安心感を与えます。この安心感こそが、子どもが失敗を恐れず外の世界へ飛び出すための最強の基地(ホーム)となります。
3.【今日から変わる】自己肯定感を育む「魔法の聞く姿勢」
9割の親ができていない「共感ファースト」の合言葉
子どもが学校であったことや、友達とのトラブルを話してきたとき、親はつい「アドバイス」や「解決策」を提示しがちです。しかし、これが子どもの自己肯定感を大きく削いでしまうことがあります。
子どもが本当に求めているのは、解決策ではなく、自分の感情を受け止めてもらうことです。
元校長が推奨する「魔法の聞く姿勢」3つのステップ
子どもの話を聞くときは、難しい理論は不要です。今日から試せる簡単な3つの合言葉を意識してください。これはコーチングの基本でもあります。
合言葉は、「うなづき、あいづち、繰り返し」です。
1. 黙って、うなづく(無条件の承認)
まずは何も言わず、目を見て、黙って大きくうなづくことから始めましょう。これで、子どもは「自分の話を真剣に聞いてもらえている」と安心し、心のフタが開きます。
2. ハ行のあいづちで気持ちの道を作る(受容)
話を遮らず、ハ行(は・ひ・ふ・へ・ほ)を使ったあいづちで、子どもの気持ちを受け止めます。
- 「はぁーん、そうだったんだね」
- 「ふうーん、それでどうなったの?」
- 「ほぉー、そう感じたんだね」ハ行の音は、親の主観的な評価を入れずに「ただ受け入れている」というメッセージを伝えるのに最適です。
3. 感情を繰り返す(共感の核心)
最後に、子どもが言葉にした感情をそのまま繰り返します。これが「共感ファースト」の核心です。
子どもの言葉 | 親の繰り返し(感情の代弁) |
「誰もパスを回してくれなくて…」 | 「そうか、誰もパスを回してくれかったんだ。」 |
「みんなで協力して、発表がうまくいったんだ!」 | 「なるほど、みんなで頑張って、発表がうまくいったんだ。」 |
まずは徹底して子どもの感情を受け止め、「あなたが感じたことは間違っていないよ」というメッセージを送る。この安心安全な土台があるからこそ、子どもは自分で解決策を考え、失敗から学べる強い心のしなやかさを育むことができます。
4.【元校長からの贈り物】 子どもに「心の筋トレ」をさせる魔法の言葉
成長の土台は「勇気づけ」
自己肯定感、自己有用感のすべてを支えるのは、親御さんからの日々の「勇気づけ」です。
学校現場では、「勇気づけ」が子どもの心の筋トレに最も効果があることが分かっています。この勇気づけは、失敗したときこそ、親が「乗り越えられる力を持っている」と信じてあげることで生まれます。
勇気づけの言葉や、心のケアの具体的なノウハウを知りたい方は、すでに多くの親御さんから反響をいただいているこちらの記事で詳しく解説しています。
👉 [元校長が語る「勇気づけのボイスシャワー」2学期の不登校に悩む親へ]
👉 [子どもの悩みに効く魔法の言葉。元校長が教える『心の筋トレ』]
まとめ:もう「うちの子、大丈夫?」と悩まないために
子育ては不安との戦いです。しかし、「結果ではなく、存在と努力を承認する言葉」と、「共感ファースト」の聞く姿勢さえあれば、必ず子どもの自己肯定感は育ちます。
その小さな変化が、あなたの家庭を安心と信頼で満たし、子どもの未来を力強く支える土台になります。
今日から一つ、子どもの話を聞くときに、アドバイスよりも先に、感情を受け止めることから始めてみてください。あなたの温かい一歩が、子どもの心に光を灯します。
【最後にもう一歩!自己肯定感を育む言葉を習慣化したい方へ】
もしあなたが、「今日からすぐに、この言葉がけを習慣にしたい」「具体的なフレーズを忘れないように手元に置いておきたい」と感じたなら、それが変わるチャンスです。
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