こんにちは。ときどき校長のSAMです。
40年の教育現場 × 最新研究からわかった「学力・集中力・感情」との深い関係について今日は睡眠にスポットをあててお話します。
子どもの睡眠は「学力」「集中力」「メンタル」「人間関係」まで影響します。
しかし保護者の方からは、次のような質問をよくいただきます。
- 「何時間くらい寝るのが正しいの?」
- 「寝不足と勉強の伸び悩みって関係ある?」
- 「うちの子は寝すぎ?それとも足りない?」
「早寝・十分な睡眠が大事なのは知っている。でも、うちの子はどうすれば?」という悩みに、40年の現場経験と最新研究から“今日から使える答え”をまとめました。
結論として、国内外の研究を総合すると、次のレンジがひとつの目安になります。
● 小学生:9〜11時間
● 中学生:8〜10時間
● 幼児:10〜12時間そして何より重要なのは “就寝時刻の早さ” と “生活リズムの安定” です。
私はこれまで、校長・教頭・担任・特別支援教育の現場で
毎日たくさんの子どもたちの表情・行動・学習の伸びを見続けてきました。
その経験と、最新のエビデンスを統合して分かりやすく解説します。
1. 国内外の研究が示す「最適睡眠の目安」

◆① 海外研究:8〜10時間で学力が高い傾向
複数の研究で、以下のような結果が報告されています。
- 8〜10時間睡眠の生徒は、数学・読解において成績が高い傾向
(出典:Sleep Duration and Academic Achievement, Dovepress 2020) - 7時間未満では、記憶・注意力・思考力の低下が明確。
- 大学生の調査でも、「睡眠時間が短いほどGPAが低下」
(出典:Association Between Sleep Duration and Academic Performance in Medical Students, ICR 2023)
➤ POINT
“10時間以上で必ず低下する” という明確なエビデンスは現状では限定的。
しかし 短すぎる睡眠が学習効率を落とすことは強く支持されています。
◆② 国内研究:小学生の理想は「9〜11時間」
日本の複数研究では、小学生は欧米より平均睡眠が短く、
疲労・眠気・集中力低下が顕著と指摘されています。
- 小学生の理想的睡眠時間は 9〜11時間
(出典:神戸大学「Mental health and sleep of Japanese elementary school children」2014) - 多くの児童がこの基準より短い睡眠時間で生活している
◆③ 幼児期研究:重要なのは「睡眠時間より就寝時刻」
兵庫県尼崎市の追跡研究が興味深い結果を示しています。
- 3歳で“18:00〜20:00に就寝”できていた子どもは、
小1時点で国語・算数の成績が高く、非認知能力(努力・優しさ)も高い - 睡眠“時間”そのものは学力に有意差をもたらさなかった
(出典:Nature Scientific Reports, 2023)
➤ POINT
睡眠の“量”だけでなく
「いつ寝るか」「毎日のリズムの一貫性」が、脳の成長と学力に影響する。
2. 睡眠が子どもの学力に影響する理由
私は毎日たくさんの子どもと接してきましたが、
睡眠が十分な子どもは、例外なく次の3点が安定していました。
◆① 朝の目の輝き・反応速度が違う

十分な睡眠の子どもは朝の第一声から違います。
- 表情が明るい
- 反応が速い
- 先生の話を最初からキャッチできる
これは脳の覚醒レベルの違いです。
◆② 授業中の集中力が明らかに安定
睡眠不足の子は、
- 眼が泳ぐ
- 座っていられない
- 話が入ってこない
- ノートが乱れる
という行動が一貫して見られます。
前頭前野(思考・注意・感情制御) の活動低下は科学的にも証明されています。
◆③ 感情が安定し、不安・イライラが減る
感情のコントロール能力は「脳の休息」に左右されます。
- 睡眠不足 → 情緒不安定、キレやすい
- 十分な睡眠 → 気持ちが落ち着く、対人関係も良好
(出典:Sleep and Emotional Regulation, Journal of Child Psychology, 2015)
3. よくある誤解と注意点
❌「寝れば寝るほど良い」は誤解
“最適レンジ”がある。
個人差も大きい。
❌「睡眠時間だけ見ればOK」は誤解
就寝時刻・生活リズム・光環境が決定的に重要。
❌「週末の寝だめで取り返せる」も誤解
体内時計を乱し、月曜の学力低下につながる。
4. 年齢別:最適睡眠時間の実用的な目安
| 年齢 | 推奨睡眠時間の目安 | 現場40年の実感 |
|---|---|---|
| 幼児 | 10〜12時間 | 18〜20時就寝で情緒が安定 |
| 小学生 | 9〜11時間 | 21時前就寝が成績・集中に直結 |
| 中学生 | 8〜10時間 | 部活+スマホ管理が鍵 |
| 高校生 | 7.5〜9時間 | 23時前就寝で成績が安定 |
5. 今日から家庭でできる「学力が上がる睡眠習慣」3つ

① 就寝時刻を固定する(最重要)
脳は“ルーティン”に強く反応します。
② 寝る1時間前のスマホ・動画をゼロに
光刺激は脳を覚醒させ、入眠を妨害。
③ 朝の太陽光を浴びる(起床後10分以内)
体内時計がリセットされ、夜の眠気が整う。
6. まとめ
国内外の研究と教育現場の経験から、
小学生は9〜11時間、中学生は8〜10時間。
しかし最も大事なのは「いつ寝るか」と「生活リズムの安定」。
睡眠は 0円でできる最強の学力支援 です。
ぜひ今日から、21時就寝・朝の光・スマホを切る時間 を整えてみてください。
子どもの集中力も、感情も、学力も必ず変わります。


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