【元校長が語る】

クラス替えに不安を感じる小学生が教室から未来へ歩き出すイメージイラスト。虹と光が広がり、変化の先に希望があることを表現している。 子育て総合研究所
子育て総合研究所

クラス替えが不安なとき親ができること|3学期終盤に考えたい「変化」と「関係」

「クラス替えが不安です」

3学期終盤、この相談は毎年のように届きます。

仲の良い友達と離れるかもしれない。
担任が変わるかもしれない。
今の安心が揺らぐかもしれない。

まずお伝えしたいのは――
その不安は、自然でまっとうな感情だということです。

変化は、大人でも怖い。
子どもなら、なおさらです。

そして、親の心も揺れるのは当然です。


頭ではわかっている。でも、心が追いつかない

「クラス替えには意味がある」
「成長の機会でもある」

それは理屈としては理解できる。

けれど、感情は別です。

大切なのは、
理屈で感情を押さえ込まないこと。

不安があるなら、それは悪いことではありません。


単学級で見た「固定化」と「揺さぶり」

私は単学級の学校で、4・5・6年と同じ子どもたちを担任しました。

学校統合を経ても単学級規模。

特に女子の関係性はぎくしゃくしていました。

単学級は安心が続く一方で、

「あの子はこういう子」
「この子はこういう役割」

という見方が固定されやすい。

私は、その固定化を崩したいと考えました。

子どもたちが“同じ方向を向く経験”をつくり、
新しい一面が見える場を意図的に用意しました。

すると少しずつ、

「こんな力があったんだ」
という再発見が生まれていきました。

関係は、揺れることで広がることもあります。


クラス替えは「揺れる機会」

2学級以上の学校でのクラス替えは、
その“揺さぶり”が制度として組み込まれているとも言えます。

  • 新しい出会い
  • 新しい立ち位置
  • 新しい評価のされ方

それは不安を伴います。

けれど、可能性も含んでいます。

ここまでが理屈です。


それでも、不安や不満があるとき

ここが大切なところです。

不安があるなら、
学校に伝えればいいのです。

「うちの子は、こんなことを心配しているようです」

そう共有することは、
決してクレームではありません。

学校との関係が良好であれば、
それは“児童理解のための大切な情報”になります。

学校は、子どもをよりよく理解するために
保護者の視点を必要としています。

伝え方が大切なのです。

「変えてほしい」ではなく、
「理解してほしい」

この違いは、とても大きい。

担任との関係に悩んだときの具体的な対応については、
→ 【担任と合わないとき親はどうする?】


学校との関係は対立ではない

学級編成には一長一短があります。

毎年行う学校もあれば、固定する学校もある。

私自身、校長として
高学年ではあえて編成を行わない判断をしたこともあります。

どちらも教育的な選択です。

学校は、実態や課題を踏まえ、
責任をもって判断しています。

そのうえで、

保護者の声は、敵ではありません。

協働の材料です。

学校の判断や教育的な背景については、
→ 【問題のない学校が本当にいい学校なのか】


親ができる準備は「整える」こと

制度は簡単には変えられません。

けれど、土台は整えられます。

✔ 生活リズムを崩さない
✔ 春休みの夜更かしを防ぐ
✔ 不安を否定しない
✔ 必要なら学校に事実として共有する

日本小児科学会も、
睡眠と情緒の安定の関連を指摘しています。

変化に強い子は、
安心できる生活の土台を持っています。


不安をなくすのではなく、抱えながら進む

クラス替えの不安が
完全に消えることはないかもしれません。

けれど、

不安があるからこそ、
人は準備をします。

不安があるからこそ、
人はつながろうとします。

学校に伝えることも、
家庭で支えることも、
どちらも間違いではありません。


最後に

クラス替えは、
安心を少し揺らします。

けれど同時に、
世界を少し広げます。

頭で理解することと、
心が納得することは、同じではありません。

だからこそ、
焦らなくていい。

学校と対立しなくていい。

不安があるなら、
静かに、丁寧に、伝えればいい。

春は、別れの季節であると同時に、
まだ知らない出会いの季節でもあります。

不安の中にも、
芽吹こうとしているものがあることを、
どうか忘れないでいてください。


ひとりで抱え込まなくて大丈夫です

もし整理がつかないときは、
相談先の一つとして私を思い出してください。

答えを急がず、
視点を整える時間を持つことが、
いちばんの準備になることもあります。

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