子どもたちが帰ってきます
夏休みが終わり、子どもたちの声が学校に戻ってきますね。
久しぶりの再会に心が温かくなる一方で、先生方の心の中には、「よし、やるぞ!」という意気込みと、「ちゃんと子どもたちを導けるだろうか…」という静かな不安、そして隠しきれない疲労感が、複雑に絡み合っているかもしれません。
長期休業明けの学校は、まるで再始動したばかりの大型船のようです。
急に速度を上げれば、どこかに無理が生じてしまいます。
今日は、30年以上にわたり、子どもたちと先生方、そして学校という大きな船を見守ってきた私から、2学期を「希望」と「笑顔」で満たすための、3つの具体的な秘策をお伝えします。
秘策1:朝や帰りは「心の天気」に取り組む
朝の会。
「すべての子どもたちの話を聞いてあげたい。」「一人ひとりに言葉をかけたい。」「ゆったりと関わりたい。」そう思っている先生ばかりのはずです。しかし現実的には、連絡事項や配布物に追われてしまってなかなか思うようにはいかないのではないでしょうか。
そこで、ぜひ取り組んでみてほしいことは「心の天気と天気予報」です。
今では、さまざまな学校で活用されているアプリもあるのでご存知の先生もおられると思いますが、アプリがなくても名簿を黒板に貼っておいて、毎日登校した子から「晴れ・曇り・雨・雷」を記入するだけです。
先生は、最低でも曇りや雨、雷の子には目が向くはずです。そうすれば、「〇〇さん、どうして今日は雨なの?」と話すきっかけにもなります。1週間通して鳥瞰して見ると、子どものことがよく見えてくるはずです。
同様に、帰る用意が終わった子から今日の天気を記入させます。
先生の見えていないところで、子どもたちの心の動きが見える化されます。帰りに「雨」や「雷」だった子には、家庭連絡を取ることもできますし、次の日まで問題を持ち越してしまうことを未然に防ぐこともできます。
また、心の天気予報を書かせることは、セルフマネジメントの能力を育て、高めていくことにもつながります。
秘策2:個人通信を発行する
A4を四等分したぐらいのサイズの紙にタイトル欄と3~4行の罫線を引いたものを大量に印刷して教卓の上に置いておきます。
休み時間や給食の時間、ちょっとした隙間の時間に1日2~3人に個別通信を書いて渡します。(連絡帳に貼ってあげるのもいいです。)
「国語の時間の発表よかったね!(タイトル)」今日の〇〇さんの発言で、みんなの考えが深まるきっかけになりました。すばらしかったです。
この程度でもいいのです。連絡帳に直接書くよりも、もらった子は特別感があります。もらった子はきっと帰宅後、お父さんやお母さんにうれしそうに手渡すかもしれませんし、それをうれしそうに聞くお父さんやお母さんの姿も想像できますね。
これを毎日続けていくことで、子どもや保護者から大きな信頼を受けることができます。大事なことは誰に渡したかを記録しておかないと、渡していない子ができてしまうので、必ず記録しておきましょう。最後の方に残ってしまった子がいても大丈夫、きっとその子を「今日はしっかり見ておこう。」と思うことになり、いいところを見つけることができます。
秘策3:自分自身の「ご機嫌」を最優先にする
2学期は、運動会、遠足、学芸会…行事が目白押しです。
完璧な準備、完璧な指導を目指すあまり、先生自身が心身ともに疲弊してしまうことが、一番の懸念です。
どうか、ご自身の「ご機嫌」を最優先にしてください。
- 授業と授業の間の数分間、背伸びをしたり、窓の外を見たりする。
- 同僚の先生と、他愛もない雑談で笑い合う。
- 家に帰ったら、温かいお風呂にゆっくり浸かる。
先生方の笑顔は、子どもたちにとっての希望の光です。先生方が心から楽しんでいなければ、子どもたちも最高の学びを享受することはできません。
その際、とても有効なのが「3グッドシングス」です。夜寝る前に、3つの良かったことを思い出します。詳しいことは、また後日紹介したいと思います。(興味のある方は、検索してみてください。アプリもありますよ。)
最後に
2学期は、子どもたちが飛躍的に成長する時期です。
先生方の温かいまなざしと、日々の小さな工夫が、子どもたちの「できた!」という喜びの瞬間を何倍にも大きくします。
一人で抱え込まず、仲間と支え合い、そして何よりご自身の笑顔を大切にしてください。
このメッセージが、先生方の背中をそっと押し、子どもたちの輝かしい未来を育む一助となれば幸いです。
心から、応援しています!
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