――忙しい家庭でも続けられる、心の土台づくり
こんにちは。
元小学校校長として40年間教育現場に立ち、同時に二人の子を育ててきました。SAMです。
保護者の方から、こんな相談を受けることがあります。
- ほめているつもりなのに、子どもに自信がなさそう
- 失敗を極端に怖がるようになった
- 忙しくて、ゆっくり関わる時間が取れない
こうした悩みに対して、私がいつもお伝えしているのは、
「特別な教育法を増やす必要はありません」ということです。
大切なのは、
日常の中で、子どもが安心できる関わりがあるかどうかです。
子どもの自己肯定感は「日常の安心感」から育つ
自己肯定感とは、
自信満々になることでも、常に前向きでいることでもありません。
- 失敗しても立ち直れる
- 自分はここにいていいと思える
- 困ったときに助けを求められる
こうした心の土台のことです。
そしてこの土台は、
家庭での何気ない関わりの積み重ねによって、ゆっくりと育っていきます。
親子のスキンシップがもたらす安心感
親子のスキンシップには、
子どもの気持ちを落ち着かせ、安心感を高める力があります。
ここで注目したいのが、
「短時間でも、意識して触れ合うこと」です。
長時間である必要はありません。
ほんの数秒でも、意味があります。
「7秒のハグ」が当たり前だったアメリカでの光景

私がアメリカ・ロサンゼルスで補習授業校に関わっていたときのことです。
ロサンゼルス補習授業校では、保護者が学校まで送迎し、教室まで付き添うことがルールでした。
アメリカでは、日本のように
子どもだけで登校したり、自由に外出したりすることはほとんどありません。
安全面への配慮もあり、親が送り、親が迎えるということが当たり前です。
私が特に印象に残っているのは、
親子が別れるときの姿でした。
教室の前で、
- ぎゅっとハグをして
- 「いってらっしゃい」「がんばってね」と声をかけ
- 笑顔で別れていく
そんな光景が、毎週のように見られました。
それは低学年の子どもだけではありません。
中学生でも、高校生でも、男の子でも女の子でも、
多くの親子が自然にハグをして別れていきます。
特別な行事でも、意識的な取り組みでもなく、
それが当たり前の日常でした。
文化の違いと言えばそれまでかもしれません。
しかし、目の前にいる子どもたちの多くは、日本人の子どもたちです。
私はその様子を見ながら、
「とてもいい習慣だな」と、心から感じていました。
日本でも取り入れられる「安心のサイン」
日本では、
- 照れくさい
- 周囲の目が気になる
- もう大きいから
そう感じる方も多いかもしれません。
けれど、アメリカで見た親子の姿から感じたのは、
ハグは愛情表現であると同時に、子どもにとっての“安心の合図”だということです。
「行っておいで」
「帰ったら、また会えるよ」
そのメッセージが、
言葉よりも先に、体を通して伝わっているように感じました。
7秒ほどの短いハグでも、
- 今日も見送ってもらえた
- 自分は大切にされている
そう感じるには、十分な時間なのです。
言葉で伝えることが、心に残る理由

多くの親は、
「大切に思っている」「愛している」と心では感じています。
しかし、それを言葉にして伝える機会は、意外と少ないものです。
- 「大好きだよ」
- 「生まれてきてくれてありがとう」
- 「あなたがいてくれて嬉しいよ」
これらの言葉は、
何かができたかどうかとは関係なく、
存在そのものを認めるメッセージとして子どもの心に届きます。
落ち込んでいるときこそ、言葉の力が生きる
子どもが失敗したとき、元気がないとき、
親はつい「どうすればいいか」「何が正解か」を考えてしまいます。
しかし、その前に大切なのは、
- 「何があっても味方だよ」
- 「今日はしんどかったね」
- 「無理しなくていいよ」
という、安心を届ける言葉です。
解決策やアドバイスは、
子どもの気持ちが落ち着いてからで十分です。
直接言いにくいときは、別の形でもいい
照れくさくて言えない場合は、
- 手紙やメモ
- 写真を見ながらの会話
こうした方法も効果的です。
「このとき頑張ってたね」
「この写真、好きだな」
写真や文字は、
子どもが成長してからも心を支える大切な記憶になります。
親自身の心も、同時に整っていく
子どもに安心を届ける関わりは、
実は親自身の気持ちも整えてくれます。
- 立ち止まる時間が生まれる
- 子どもを見る視点が変わる
- 完璧でなくていいと思える
長年教育現場にいて、私が実感してきたことです。
まとめ:今日からできる、たった一つの習慣
子どもの自己肯定感を育てるために、
特別な準備は必要ありません。
- 7秒、抱きしめる
- ひとこと、言葉にして伝える
それだけで十分です。
完璧な親である必要はありません。
「あなたは大切な存在だ」
そのメッセージが、日常の中で伝わり続けることが、
子どもの心を静かに支えていきます。
日常の会話そのものが、子どもの心の土台になります。
→
内部リンク先