【子育ては「心の筋トレ」】才能より大切な「負けない心」の育て方
「うちの子は、どうせやってもダメ…」 「どうしてあの子みたいに、うちの子は頑張れないんだろう…」
子どものことなのに、まるで自分の能力を否定されたかのように、心が沈んでしまう。親なら誰しも、そんな経験があるのではないでしょうか。
もし、今あなたが子どもの才能や努力について悩んでいるなら、今日お伝えしたいことがあります。
それは、才能は「心の持ち方」で劇的に伸びるということです。
今日は、アテネと北京オリンピックで2大会連続金メダルを獲得した、水泳のスーパーヒーロー北島康介選手の知られざるエピソードから、子どもの心を強くするヒントをお伝えします。
「もう終わった…」どん底から這い上がった、言葉の力
アテネオリンピックで世界を制した北島選手は、その後、深いスランプに陥りました。いくら練習しても記録が伸びず、「北島の時代は終わった」とまで囁かれるように。彼は、勝てない理由をライバルのせい、尽きた才能のせいにして、自分を責めてばかりいました。
そんな彼の前に現れたのが、脳神経外科医であり脳科学者である林成之先生でした。林先生は、北島選手に「勝つための脳の使い方」を説きました。これが、後に「勝負脳」と呼ばれる理論です。
林先生によると、人間の脳は、不安や恐怖といったマイナスの感情を抱くと、本来のパフォーマンスが発揮できなくなるようにできています。つまり、「勝負脳」とは、感情に左右されず、本来持っている力を100%出すための心の技術なのです。
林先生は、北島選手に**「他人やライバルを意識するのではなく、過去の自分を意識する」**という考え方を教えました。
「昨日の自分より、今日は少しでも前に進めたか?」 「失敗は、次にどうすれば成功できるかを教えてくれる、大切なヒントだ。」
この言葉が、北島選手の心を劇的に変えます。そして、彼は見事北京オリンピックで奇跡の復活を遂げ、2大会連続の金メダルという偉業を成し遂げたのです。
才能を開花させる「心の筋力」
この「勝負脳」の教えは、北島選手だけのものではありませんでした。
林先生は、日本大学の教授として、北京オリンピックの日本代表チーム全体にこの理論を伝授していました。結果として、当時の日本競泳陣は、個々の才能だけでなく、チーム全体の「心の筋力」が向上し、歴史的な好成績に繋がったとされています。
この事実は、子どもの成長を左右するのは、生まれ持った「才能」だけではないということを証明しています。
今すぐできる!「心の筋トレ」を育む3つの言葉

では、私たちは親として、どのように子どもの心の筋力を鍛えてあげられるのでしょうか?
先日ここでも書いた「しなやかなマインドセット」につながるのですが、
1. 結果ではなく「プロセス」を褒める
「すごい!100点を取ったんだね!」と結果を褒めるのは、子どものプレッシャーになることも。 代わりに、「この難しい問題、最後まで諦めずに頑張ったね!その努力が素晴らしいよ!」と、努力や工夫した点を具体的に褒めてあげましょう。
2. 「失敗」を「挑戦の証」に変える
子どもがテストで間違えたり、スポーツで失敗したりした時、「どうしてできなかったの?」と責めてはいけません。 「難しいことに挑戦したんだね!素晴らしい!」と、失敗を肯定的に捉え、「どうしたらいいと思う?」と、次の一歩を一緒に考えてあげてください。
3. 「成長」の喜びを教えてあげる
「前はできなかった逆上がりが、今日は少しできたね!」「この前のテストより、漢字が5個も多く書けるようになったね!」といったように、過去の自分との比較で成長を伝えてあげましょう。子どもは自分の成長を実感することで、もっと努力しようという気持ちになります。
最後に
「教育は心の筋トレ」です。
今日から、結果ではなく「頑張り」を褒め、失敗を恐れない心の育て方を実践してみませんか?
才能は誰にでも与えられているわけではありませんが、「負けない心」は、誰でも育てることができます。
そして、それこそが、親から子へ贈る最も価値のあるギフトなのです。
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