一流の選手が持つ、たった2つの習慣とは?
いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は、私が教師を務めていた時に出会った、忘れられないお話をご紹介したいと思います。それは、日本のサッカー界を長年にわたり牽引し、多くの偉大な選手を育てた、元日本サッカー協会会長の長沼健さんにまつわるお話です。
才能の裏側にある、2つの「人間力」

ある時、私はこんなお話を聞いたのです。
ある記者の方が、長沼さんに「どうすれば、サッカーで一流になれますか?」と質問したそうです。誰もが「練習量」「戦術」「才能」といった答えを期待したことでしょう。
しかし、長沼さんの答えは全く意外なものでした。
「これをすれば、必ず一流になれるというものは、ありません。しかし、一流の選手に共通していることはあります。それは、あいさつと整理整とんです。」
記者はさらに尋ねました。「あいさつや整理整とんができなくても、一流になる選手もいるのではないですか?」
すると、長沼さんは間髪入れずにこう答えられたそうです。
「いません。絶対にいません。何千人という選手を育ててきましたが、サッカーが上手になる人は、必ずあいさつや整理整とんがきちんとできる人なのです。なぜかはわかりません。」
また、この話を聞いた、元巨人の名監督、川上哲治さんも
「これは、野球の世界でも同じですね。」
とおっしゃったそうです。
このエピソードは、今でも私の胸に強く残っています。
成功への「土台」を築く、2つの習慣
なぜ、一見サッカーや野球とは無関係に思えるこの2つの習慣が、一流の選手を育むのでしょうか。長沼さんご自身も「なぜかはわからない」と語っておられますが、私なりに考えてみました。
「あいさつ」は、人と、心を通わせる力。
笑顔で、相手の目を見て交わすあいさつには、相手を尊重し、信頼関係を築く力があります。この習慣は、チームメイトや監督、そして社会に出てから出会うすべての人と、円滑な人間関係を築くための最も基本的なスキルです。
「整理整とん」は、自分自身と向き合う力。
自分の部屋や持ち物を整理することは、自分の心と頭の中を整理することにつながります。物事を計画的に進める力、自分を律する力、そして、何より「感謝」の心を育むことにもつながります。
一流の人物とは、特別な才能だけでなく、人と、そして自分自身と上手に向き合う力を持った人なのかもしれません。
親から子へ贈る、最高のギフト
先日メジャーリーグの殿堂入りを果たしたイチロー選手の、プロ野球に入る以前から、引退するまで、スパイクやグローブの手入れを一日も怠らなかったという話は有名です。
お子様が将来、どんな道に進むにしても、この2つの力は必ず役に立ちます。
「いってきます」「ただいま」のあいさつを、ご家族で大切にする。
使ったものを元の場所に戻す、という小さな習慣を一緒に身につける。
これらは、決して難しいことではありません。しかし、この毎日の積み重ねが、お子様の未来を形作る、揺るぎない土台となります。
ぜひ、このお話を、ご家庭での会話のきっかけにしていただけたら幸いです。
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