叱る前に立ち止まろう。親も子どもも心が軽くなるアドラー式子育てのヒント
こんにちは!ときどき校長です。
さて、昨日はアドラー式子育ての「勇気づけ」について、褒めることとの違いを中心にお話してきました。今日は、子育てで誰もが直面するもう一つの壁、「叱ること」について、一緒に考えてみませんか?
私たちは、子どもに何か問題行動があったとき、つい感情的に怒ったり、叱ったりしてしまいがちです。これまでの自分を振り返ると、それはきっと「子どもに〜してほしい」という願いがあったからではないでしょうか 。アドラー心理学では、叱って子どもを動かそうとする関係は、親が子どもを支配する「タテの関係」だと言われています 。
「タテの関係」から「ヨコの関係」へ
では、どうすれば子どもとの関係を「ヨコ(対等)」にできるのでしょうか。
アドラー式子育てでは、命令口調で叱るのではなく、自分の気持ちを伝えることで、子どもの行動を促すことを推奨しています 。
例えば、次のような場合、
- 子どもが洗濯物をかごに入れないとき「ちゃんと洗濯物をかごに入れなさい!」と怒鳴る代わりに、「○○ちゃんの洋服が洗えなくて困っているの。脱いだものをかごに入れてくれると助かるんだけど」と気持ちを伝え、お願いしてみましょう 。
- 子どもが時間を守らないとき「○時までに帰ってきてって言ったでしょ!なんで守れないの?」と怒るのではなく、「遅くなるとお母さん(お父さん)心配なの。どうすれば時間を守れるようになると思う?」と気持ちを伝え、子ども自身に考えさせてみましょう 。
完璧な親なんていない
アドラー式子育てで大切なのは、子どもを勇気づけるだけでなく、「失敗してしまう自分自身にも勇気づけを行う」という考え方です。
時には感情的に怒ってしまっても、自分を責める必要はありません。「今回は失敗したなぁ。次はどうすれば怒らないで済むかな」と反省し、次にまた子どもに寄り添えばいいのです 。子育てに「これが正解!」という道はありません。私たち親も、試行錯誤しながら一緒に成長していく存在なのです。
「いつも見ているよ」の魔法
アドラーの言う「勇気」とは、目の前にある課題や困難を克服する力のことです。その力を育むためには、良い時も悪い時も関係なく、ありのままの子どもの存在価値全てを受け入れることが大切です。
子どもの心は「超速乾性の大きなスポンジ」のようなものだと想像してみてください 。
何かをうまくできた時だけ「すごいね!」と水を大量にかけても、すぐにカラカラになってしまいます 。それよりも、「いつもあなたのことを大切に思っているよ」「いつも見ているよ」と、ポタポタと常に水を少しずつ垂らして、心のスポンジを潤わせておくことが重要です。
「もう高学年だから遅いんじゃない?」と感じるかもしれませんが、大丈夫です。
「勇気づけ」を始めるのに遅すぎることはありません 14。
子育ては「言うは易く行うは難し」ですが、継続は力なりです。焦らず、少しずつ、お子さんと一緒に勇気づけの道を歩んでいきましょう。
あなたの心が少しでも軽くなるヒントになれば嬉しいです。
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