保護者の皆様へ。お忙しい中、いつも子育て、お疲れ様です。ときどき校長のサムです。
「うちの子、せっかく昨日覚えたのに、もう忘れてる…」「何かいい勉強法はないの?」
そう悩むのは、決してあなたのお子さんだけではありません。私自身も学生時代、英語の単語や歴史の年号を覚えるのに苦労しましたし、皆さんの中にも同じような経験をされた方がたくさんおられることだと思います。学校現場でも、テストで「出てこない!」と悔しがる子どもたちの姿もよく知っています。
しかし、安心してください。それはお子さんの努力不足でも、能力の問題でもありません。
人間の脳はそもそも「忘れていくもの」だから、仕方ないんです。大切なのは、その脳の仕組みを理解した上で、少しでも効率的に覚えられる方法を知ることです。
この記事では、科学的なエビデンスに基づき、勉強したことを確実に記憶に定着させるための「最強の復習スケジュール」を、元校長として具体的にお伝えします。
エビデンス:「忘却曲線」示す驚きの真実
まず、このグラフを見てください。これは「エビングハウスの忘却曲線」という、学習効率を語る上で欠かせないデータです。

ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスが、時間と共にどれだけ記憶を忘れるかを調べた結果です。個人差はありますが、この曲線が示す事実は驚くべきものです。
ご覧の通り、人は勉強したことを20分後には58%、1時間後には44%、そして1日経つと約67%も忘れてしまうんです。時に最初の1時間で大きく記憶が薄れるのが分かります。だからこそ、「忘れていく脳の仕組み」を逆手に取る「復習」が必要不可欠なんです。
実践!元校長が推奨する「最強の復習スケジュール」
忘却曲線は、私たちに「いつ復習すれば最も効果的か」を教えてくれています。
忘却曲線をもとに、学習したことを24時間以内に復習することで、記憶の定着率を劇的に高められるというデータがあります。
具体的に、家庭で実践してほしい「最強の復習スケジュール」は以下の2ステップです。
1. 脳が忘れる前に:学習した日の「夜の10分間復習」
- いつやるか: 今日、学校で勉強したことを、その日のうちに。
- どのくらい: たった10分間。
- 効果: この10分間で復習するだけで、なんと記憶の定着率が100%になると言われています!
お子さんが帰宅後、夕食を済ませた後などに、「今日やった内容を10分だけ振り返ろう」と声をかけてみてください。この短い復習が、翌日以降の学習効率を大きく変えます。
「家庭でのこの『たった10分の復習』は、実は学校の先生方の願いでもあります。なぜなら、翌日授業をするとき、先生は昨日教えたことを振り返りながら進めます。しかし、67%も忘れてしまっているということは、時間をかけて説明し直さなければならないということになります。
家庭での復習は、先生の授業を次のステップに進める助けにもなり、結果としてクラス全体の学習効率を上げます。これは、学校と家庭の連携において、最も費用対効果の高い方法なのです。」
2. 記憶を定着させる:週末の「5分間確認復習」
- いつやるか: 1週間経つ前の、週末(土曜日や日曜日)。
- どのくらい: 5分程度。
- 効果: 一度薄れかけた記憶を、この短い5分で呼び戻すことで、さらに記憶が定着する効果があるそうです。
【まとめ】効果的な復習スケジュール
- 今日(24時間以内):10分の復習
- 週末(1週間以内):5分の復習
これでバッチリではないでしょうか!
親御さんへのアドバイス:復習を習慣化するコツ
この最強の復習法を実践するには、親御さんのサポートが不可欠です。
- 「時間」ではなく「習慣」に組み込む: 「宿題が終わったら、10分復習の時間にするよ」というように、毎日のルーティンに組み込んでしまいましょう。
- 完璧を求めない: 10分間「教科書をパラパラめくる」「練習問題を1問だけ解く」「先生の板書(ノート)を眺める」だけでも効果があります。時間と継続こそが価値を生みます。
- 頑張りを認める声かけ: 「たった10分だけど、偉いね!これでしっかり覚えられるよ」と、努力を具体的に承認してあげてください。これが子どもの自己肯定感につながります。
- 【校長推薦】復習を促す魔法のフレーズ: 「今日一番面白かったのは何?それを1分だけ教えてくれる?」 この問いかけなら、勉強と意識させずにその日の学習内容を思い出させることができます。
勉強の仕方や内容について、ぜひお子さんと一緒に見直してみると良いと思います。
いかがでしたか?今日の内容が、あなたの家庭学習の悩み解決のヒントになれば幸いです。
この復習法を試した感想や成功体験を、ぜひコメント欄で教えてください。皆さんの声が、他の親御さんの勇気になります。元校長として、皆さんの子育てを引き続き応援しています!
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