――アドラー・シュタイナー・学校現場から見えた共通点
こんにちは。
元校長として40年間、教育現場に立ち続けてきた「ときどき校長」のSAMです。
「ほめる?ほめない?」
子育てや教育に迷ったとき、アドラー心理学やシュタイナー教育の考え方が参考になることがあります。
元校長が学校現場の実践と重ねながら、「評価しない教育」が子どもを伸ばす理由をやさしく解説します。
アドラー心理学が大切にした「勇気づけ」
アドラー心理学(アルフレッド・アドラー)では、
子育てや教育の中で「勇気づけ」が重視されます。
ここで言う「ほめない」とは、
- 子どもを操作するための賞賛
- 上下関係をつくる評価
を避ける、という意味です。
アドラーが目指したのは、
「私はこのままで価値がある」
と子ども自身が感じられる状態
そのために、
結果よりも 努力・過程・存在を認める
という姿勢が大切だと考えました。
シュタイナー教育が避ける「評価としての賞賛」
シュタイナー教育を築いたルドルフ・シュタイナー も、
子どもを「評価」で縛ることを強く警戒しました。
- 比べられる
- 点数で測られる
- 「すごい」「えらい」で序列化される
こうした関わりは、
子どもの内側の感覚を弱めると考えたのです。
だからシュタイナー教育では、
- 「よくできたね」より
- 「どんな気持ちでやったの?」
という関わりが大切にされます。
これは「放任」ではなく、
深く見て、丁寧に言葉にする教育です。
学校現場では「ほめない」は通用しない?
一方、学校現場ではこう言われます。
- ほめなければ自己肯定感が育たない
- 認める言葉かけが必要
- 承認が学級づくりの基盤
これは事実です。
私自身、校長として、担任として、
ほめることが子どもを支える場面を数え切れないほど見てきました。
ただし、同時にこうも感じていました。
ほめても、伸びない子がいる
ほめられるほど、動けなくなる子がいる
問題は「ほめるか・ほめないか」ではありません。

3つに共通する、たった一つの核心
アドラーも、シュタイナーも、
そして実際の学校現場も。
長く見てきて分かった共通点があります。
それは、
子どもを「評価の対象」にしない
成長する存在として信頼する
という一点です。
言い換えるなら、
- ✕ 操作するためのほめ
- ○ 支えるための言葉
です。
「ほめる・認める・信頼する」の整理
混乱しやすいので、整理します。
ほめる
- 結果や成果に光を当てる
- 励ましとして使えば有効
認める(承認)
- 努力・過程・存在をそのまま言葉にする
- 子どもが自分で自分を肯定できる土台
信頼する
- 期待を押しつけない
- でも「あなたは育つ存在だ」と伝える
アドラーも、シュタイナーも、
最終的に大切にしているのは「認める」と「信頼する」 です。
実際の家庭や教室では、
「では、どんな言葉をかければいいのか?」
と迷う方も多いでしょう。
具体的な声かけの考え方については、
▶︎ 子どもの自己肯定感を高める親の言葉と「聞く姿勢」
で詳しくまとめています。

学校と家庭が、今日からできること
難しい理論を使う必要はありません。
今日からできる関わりは、とてもシンプルです。
- 評価する前に、事実を言葉にする
- 結果より、そこに至るまでを見る
- 「あなたのままで大丈夫」というメッセージを伝える
これだけで、
子どもは安心し、自分の力を使い始めます。
まとめ:同じ山を、違う道から登っているだけ
アドラー心理学も、
シュタイナー教育も、
学校現場の実践も。
見ている方向は同じです。
子どもは、
操作されなくても、
信頼されることで育つ
方法や言葉は違っても、
たどり着く場所は同じ。
その視点を持てると、
子育てや教育は、ずっと楽になります。